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2025-06-12

【レポート】第3回 マツ剪定講習会

5月11日に、日本庭園協会東京都支部が継続的に開催しているマツの剪定講習会「マツを学ぶ」第3回目を開催しました。今回は10日と11日の二日間の講習を予定していましたが、残念ながら10日が雨天中止となり、11日のみの開催になりました。

今回の実習は、ちょうど一年前に行った第1回目の講習を思い出しながら、「マツの緑(新芽)摘み」の作業です。
この講習会の醍醐味は、講師の武田さんのご指導のもと、同じ庭の同じマツの手入れに継続的に取り組み、自分が加えた手入れに対するマツの反応や、長期的に起こっていく木姿の変化を確認することができる、そしてそれを先生や仲間たちと確かめ合う事ができるところです。

今回受講いただいた皆さんは、昨年の第1回目の緑摘みの回、そして今年1月に行った第2回目の揉み上げ剪定の回、そして今回と継続的に参加されてきた方々ですが、今回も各人なりの気づきや疑問が多くあったようです。
講習会の終わりの挨拶の後も、武田先生に群がる参加者の姿が印象的でした。

この講習会で手入れをさせていただいているマツは、数人で登りこむような大きいものもありますが、低い脚立で手入れができるマツがほとんどで、脚立を使わなくても下枝の手入れができるようなマツもあります。
そのため、趣味で庭の手入れを楽しんでおられる方や、マツの手入れに興味はあるけどなかなか経験することができない造園設計専門の方など、プロの庭師ではない方々でも参加しやすく、学びやすい講習会になっています。

もちろん、プロの庭師の方々にも有意義な学びがあると確信しています。
例えば、「マツの芽は2本残し」と覚えて、枝の先端に出た3本の芽の真ん中の一番強く伸びている芽(親芽)を根元から切り取って、二股の芽を作っていませんか?
一部の教則本ではこれを善しとする説明もあるようですが、武田先生のご指導はそうではありません。
武田先生曰く、このような芽の切り方を魚の鯖の尻尾に見立てて「サバ芽」と言い、庭木のマツの手入れでは避けるのだそうです。「親芽にしっかり仕事をさせる」これが重要とのこと。
このような手入れ方法を継続することで、手入れの手間がかからない徒長しないマツ、自然な木姿のマツ、そしてなによりも体力のある元気なマツに仕立てていくくとができるのだそうです。
武田先生は、このような古くから継承されてきたマツの剪定方法の理屈を、マツの生理にもとづいて丁寧にご指導くださいます。

プロの庭師が集う、日本庭園協会東京都支部役員おすすめの講習会です。
次回は年明けに揉み上げ剪定の回を実施します。
老若男女、プロ・アマ問いません。
ぜひお誘い合わせのうえご参加ください!

今回も、講師の武田さんはじめ、場所をお借りした長勝寺さん、ならびに長勝寺さんの境内を守られている(株)富士植木さん、皆様の寛大なご理解とご協力を賜り、このような講習会を開催することができました。この場を借りて感謝を申し上げます。

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