2023年7月16日 東京都支部 庭園見学会レポート
2023年7月16日に、【日本庭園協会東京都支部 庭園見学会】が行われました。
日比谷公園から個人邸までを幅広くめぐる、都支部の独自企画です。
当日は想像を絶する酷暑でしたが、学生さんを含む総勢30名の参加者が集い、学びの多い有意義な見学会になりました。
最初の見学地の日比谷公園では、参加者全員で公園内を巡りながら、日本庭園協会の高橋康夫会長より、日比谷公園の成り立ちに関する解説や、東京都が計画している日比谷公園の再生整備計画に対するご意見などをご講義頂きました。
日比谷公園の設計に携わった本多静六は当協会の初代会長であり、私たち協会会員にとっても実は大変ゆかりのある人物です。
この記事をご覧の皆様にも、是非この機会に日比谷公園の再整備計画について、関心を持って頂ければと思います。
日比谷公園 再整備計画について(東京都)
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/park/hibiyakouensaiseiseibi.html
日比谷公園を見学した後、バスで国立市へ移動。
近年に東京都指定文化財に指定された旧本田家住宅の見学を行いました。ここでは、代々ここのお庭の手入れに携わっておられる東京都支部の鈴木康幸支部長(株式会社植繁)と、国立市教育委員会生涯学習課の職員の方にご案内を頂きました。旧建築は調査のため一時解体されていましたが、今後の復旧と庭の整備も含めて大変興味深く、楽しみなお庭でした。
旧本田家住宅(国立市)
https://www.city.kunitachi.tokyo.jp/…/hondake/index.html
続けて、同市内にある鈴木支部長が手掛けた個人邸のお庭の見学を行わせて頂きました。斬新な地模様と鈴木氏の手技が光る、明るい素敵なお庭です。ここでは、お庭のお施主様のご厚意で、お宅内にて昼食休憩もとらせて頂きました。ご協力ありがとうございました。
その後、再びバスに乗り埼玉県上尾市まで移動。ここでは、都支部会員で造園家の平井孝幸氏(有限会社石正園)が手掛けられた個人邸のお庭を見学しました。段々畑のような水景と伸びやかな芝生の広がりが、独特の世界観を感じさせる素晴らしいお庭でした。
移動中のバスの中では、平井氏の師、飯田十基氏がラジオ出演した時の録音音源(平井氏提供)が流され、当時の貴重なご本人の肉声を聴くことができました。
日が暮れる前にバスで新宿駅前まで戻り、解散。
今回の見学会は、公園から旧家、現代の個人邸まで、空間づくりの大と小、旧と新を巡る見学会になりました。たとえ規模や時代は違っても、空間に価値をつくる行為としての造園、庭園であることには違いはありません。それぞれの価値をしっかり捉えて、これからの社会に活かしていきたいですね!
ご講義頂きました先生方、ご参加の皆様、そしてお庭の見学をさせて頂きましたお施主様、国立市の職員の皆様、ありがとうございました。
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