【レポート】南アルプス登山 上野周三氏の原風景を観る
2025年9月23日〜25日、ついに積年の南アルプス登山企画が成功しました。
この企画の始まりは2023年、作庭家の上野周三さんの庭園創作の原点を知るべく、ご本人と一緒にその原風景を観に行こうという企画として立ち上がりました。
上野さんは、京都での修行を経て、東京に続く先代からの造園業「麻布 植祐」を継承し、多くの寺院庭園や茶庭を手がけてこられた庭の匠です。その上野さんの創作の原風景は、なんと南アルプスの鳳凰三山とのこと。その頂を目指して、継続的に七ツ石山や大菩薩、雲取山などのトレーニング登山を重ねること十数回。そして今年、ついにその絶景を眺めることができました。


鳳凰三山は南アルプス北東部に位置する薬師岳(2,780m)、観音岳(2,840m)、地蔵ヶ岳(2,764m)の3つの山頂の総称です。特に地蔵ヶ岳のオベリスク(大石柱)の姿は幻想的で、その名の通り古くから信仰の対象とされてきました。


登山チームは、我らが東京都支部にあり元ロッククライマーの池田功隊長をリーダーに、上野さん、茶庭師として名高い金綱造園事務所の金綱重治さんをはじめ、そのお弟子さんたちや都支部会員、一般の方々含め、総勢13名が集まりました。
初日は青木鉱泉からドンドコ沢を経て、鳳凰小屋で宿泊。翌日に鳳凰三山を縦走し、オベリスクへと向かいます。


クライマックスは、3000m級の尾根を縦走しながら上野さんの心を動かした風景、鳳凰三山の絶景を身体中で浴びます! 露出した花崗岩の岩肌は柔らかくも力強く隆起し、猛々しい石柱となってせり立つオベリスクの姿には自然への畏敬の念を抱かずにはいられません。自然の姿に神を見出してきた日本人の自然観は、自然物を敬う心として庭園と庭師の職能に表れ、その芸術性を高めてきたのだと肌で感じる体験でした。


登頂後は鳳凰小屋へ戻り、3日目はゆっくり下山。
途中では金綱さんが携帯用のお茶道具でお抹茶を点ててくださいました。この企画の発足当初、「自然観を高める」をテーマに何度も山行を企画して足を鍛えていた頃、わたしたちは金綱さんに奥多摩の山をご案内いただきながら、自然と向き合うこと、自然と共存するということについて学び始めました。金綱さんはその時もこうして野点を振る舞ってくださり、自然と一体になるような体験を与えてくださいました。


実に足掛け三年の南アルプス登山企画は、こうして無事に成功させることができました。共に旅をした皆さんをはじめ、トレーニング登山だけで本番は残念ながら参加できなかった方々も含め、皆さんの情熱と日本庭園協会東京都支部の底力を感じさせてくれた企画でした。そして、この企画の準備と下見のために倍以上の回数の山行をして企画をリードしてくれた池田功さんには頭が上がりません。
皆さん、ありがとうございました!
いえ、まだ終わりません。この企画は、最後に上野さんの実際の庭園作品を見るため、護国寺庭園見学会へと続きます。











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